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3 兵庫県市町村職員の一般職の職員の退職手当に関する条例(以下「一般職条例」という。)の逐条説明

第1条(趣旨)

 本条は、この条例の趣旨を定めた規定である。

 一般職の職員に支給される退職手当は、地方自治法第204条第2項の規定により、条例で退職手当を支給することとされ、同条第3項の規定により、退職手当の額及びその支給方法は、条例でこれを定めなければならないこととされており、また、地方公務員法第24条第6項の規定が適用され、退職手当についても、それが給与の一種であることから、条例で定めることとされている。「この条例」は、これらの法律の規定を根拠として定められたものである。

第2条(退職手当の支給)

 本条は、この条例により退職手当を支給される者の範囲を定めた規定である。

 この条例により退職手当を支給される者は、退職手当が勤続報償的性格を有することにかんがみ、一般職の常勤職員(特別職等条例に規定する職員を除く。以下同じ。)を原則とするが、一定条件を満たす常勤職員に準ずる者も、人事管理上の必要を考慮して、支給対象者となるものとしている。

第1項

 本項は、退職手当が勤続報償的な性格を有することから常時勤務に服することを要する職員に支給するものとしている。ただし、再任用職員又は任期付職員のうち短時間勤務職員については、退職手当を支給しないこととしている。

※ 「常時勤務に服することを要するもの」とは、通常は、雇用期間の定めがなく、正規の勤務時間(通常は、1週38時間45分)によって勤務をし、正規の給与制度の適用(特に、給料表の適用)があり、身分保障が行われる反面、公務員としての特殊な服務関係に立つ一般職の職員、すなわち、一般的には定数内職員のことを指すものである。

※ 「退職」とは、職員が職を離れて職員たる身分を失うことをいい、自己都合による退職、死亡による退職、失職、懲戒免職、分限免職等すべて職を離れる場合を含むものである。

※ 「退職手当の受給者」は、死亡以外の事由による退職の場合は退職した本人であり、死亡による退職の場合にはその遺族である。遺族が受給者となる場合の遺族の範囲及びその遺族が退職手当を受ける順位については、次条で特別に規定している。

※ 「退職手当請求権の性格」は、受給者が地方公共団体に対し、退職手当の請求を求める債権であり、職員の退職という事実の発生により条例から直接生じる権利である。逆に、退職と同時に、地方公共団体には退職手当支給債務が発生する。

※ 「退職手当請求権の消滅時効」は、労働基準法の適用を受ける職員については、同法第115条の規定が地方自治法第236条の特別規定として適用されることから5年となり、その他の職員(市町長等)については、地方自治法第236条の規定により5年となる。

※ 「退職した職員が行方不明の場合」は、退職手当は給与の一種であることから地方公務員法第25条第2項に規定する給与の直接払の原則の適用があるため、その者の家族に支払うことができない。

したがって、支払う場合には、次の方法が考えられる。

ア 民法第494条の規定により供託する方法

イ 民法第25条の規定により不在者の財産管理人の選任を裁判所に請求し、これにより選任される財産管理人(選任管理人)に対して支払をする方法

※ 「退職手当の確定金額に1円未満の端数が生じた場合」は、国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律第2条の規定に基づき1円未満の端数金額を切り捨てることとなる。

第2項

 退職手当は、本来、常勤職員に支給すべきものであるが、地方公共団体に雇用されている公務員のなかには、常勤職員ではないが、その勤務形態が常勤職員と異ならないものが実態的には存在している。

 したがって、本項は、人事管理上の必要から、これらの者のうち、一定の要件を満たすもの(以下「常勤的非常勤職員」という。)に対しても、常勤職員との均衡上必要な範囲内で退職手当を支給することとし、この退職手当が支給される常勤的非常勤職員の要件及び常勤的非常勤職員に適用される条例の条項の範囲を定めている。

◎ 要件

1 常勤職員について定められている勤務時間以上勤務することが必要である。

〇 職種、職域によって相違がある場合には、同一の職種又は職域の常勤職員の勤務時間を勤務しているか否かにより判断することとなる。

2 上記1でいう勤務をした日が1月に18日以上あり、その月が6月を超えることが必要である。

 この「18日」については、所定の勤務時間により実際に勤務した日のほか、休暇を与えられた日をもって計算し、日曜日や祝日法による休日は含まない。

〇 休暇

(1) 労働基準法第39条(年次有給休暇)に規定する基準に準じた休暇

(2) 選挙権その他公民権の行使のための休暇

(3) 市町長の責に帰すべき事由による業務の全部又は一部の停止の場合の休暇

(4) 労働基準法第65条(産前産後)、第67条(育児時間)及び第68条(生理休暇)に規定する場合に該当して与えられる休暇

(5) 労働基準法第75条(療養補償)の規定による公務傷病の療養のための休暇

3 上記2でいう6月を超えた日以後においても、引き続き上記1でいう勤務をすることとされていることが必要である。

〇 常勤的非常勤職員が、上記2に規定する「22日」以上勤務しないことが客観的に明らかとなった場合には、その日をもって退職したものとして取り扱うものとする。(国家公務員退職手当法の運用方針第2条関係)

〔行政実例〕

 「18日」以上ある月が6月を超えるにいたるまであるいは6月を超えるにいたった後に、「18日」を下回る月が出た場合には、当該月の翌月以降で「18日」以上ある月から、あらためて6月の計算をすることとなる。(行実昭和41年6月9日自治給第45号)

◎ 適用される条例の条項の範囲

 次の条項の規定が適用される

〇 第3条関係の退職事由

・ 自己都合退職

・ 公務外傷病退職

・ 11年未満勤続した場合の通勤災害傷病退職

・ 11年未満勤続した場合の公務外死亡退職

〇 第4条関係の退職事由

・ 11年以上25年未満勤続した場合の通勤災害傷病退職

・ 11年以上25年未満勤続した場合の公務外死亡退職

〇 第5条関係の退職事由

・ 公務上傷病退職、公務上死亡退職

・ 25年以上勤続した場合の通勤災害傷病退職

・ 25年以上勤続した場合の公務外死亡退職

第2条の2(遺族の範囲及び順位)

 本条は、職員が死亡により退職した場合には、第2条でその遺族が退職手当の支給対象者となるものとされていることからその遺族の範囲と順位を定めた規定である。

第1項

 本項は、職員が死亡により退職した場合の遺族の範囲を定めたものである。

(1) @配偶者(届出をしていないが、職員の死亡当時事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)

(2) A子・B父母・C孫・D祖父母及びE兄弟姉妹で職員の死亡当時主としてその収入によって生計を維持していたもの

(3) (2)のほか、F職員の死亡当時主としてその収入によって生計を維持していた親族

(4) G子・H父母・I孫・J祖父母及びK兄弟姉妹で(2)に該当しないもの

第2項

 本項は、前項に掲げる者が退職手当を受ける場合の順位を定めたものである。

ア 前項各号の順位による。

イ (2)と(4)については、同号に掲げる順位による。

ウ B及びHについては、養父母を先にし、実父母を後にする。

エ D及びJについては、養父母の父母を先にし、実父母の父母を後にし、父母の養父母を先にし、父母の実父母を後にする。

※ 退職手当を受けることができる遺族は、職員の死亡による退職という事実が発生したときにおいて、自動的に決まるものであり、これによりすでに退職手当を受けることができる遺族となった者が支給手続中にその退職手当を受けないで死亡したときは、退職手当は次順位の遺族に支給されるのではなく、当該受給者であった者の遺族にその権利は相続され、支給されることになる。

第3項

 本項は、同順位者が2人以上ある場合には、等分して支給することと定めている。

第4項

 本項は、遺族のうち、職員又は他の遺族となるべき者を故意に死亡させた者を退職手当の支給対象から除外することと定めている。

※ 「故意に死亡させた者」とは、死亡させること自体に故意があることをもって足り、退職手当の支給を受けようとする故意がある必要はない。また、「過失致死」が、含まれないことはいうまでもない。

〔行政実例〕

 第一順位者について同順位が2人以上あり、かつ、それらの者のう ち1人が生死不明である場合には、その者の失踪宣告が行われない限り、その者に支給すべき退職手当を他の同順位者に支給することはで きない。(行実昭和29年6月10日蔵計1372号)

〔行政実例〕

 退職手当を受けることができる遺族が退職手当の請求権を放棄することは可能であるが、その権利は次順位者の他の者に移行するものではないと解されている。(行実昭和35年2月19日自丁公発第2号)

〔行政実例〕

 遺族のうち第一順位者が成年被後見人である場合には成年後見人に対し、意思能力のない未成年者である場合には親権者又は未成年後見人に対し支給すべきであり、意思能力ある未成年者又は被保佐人である場合には、親権者若しくは未成年後見人又は保佐人の同意を確認したうえで支給することが妥当である。(行実昭和29年6月10日蔵計1372号)

第2条の3(退職手当の支払)

 本条は、退職手当の支払方法及び支払期日について定めた規定である。

第1項

 本項は、この条例の規定による退職手当は、退職手当の支払を受けるべき者から自己名義の口座への振替払の申出がある場合には、口座振替の方法により支払うことができることと定めている。

第2項

 本項は、一般の退職手当(次条及び第8条の5の規定による退職手当をいう。以下同じ。)及び予告を受けない退職者の退職手当は、死亡退職による遺族を確知できない場合等特別の事情がある場合を除き、職員が退職した日の翌日から1月以内に支払うことと定めている。

《関連条例》

 「特別の事情がある場合」については、特別職等条例第2条の2参照

第2条の4(一般の退職手当)

 本条は、退職した者に対する退職手当の額は、次条から第5条の3まで及び第8条から第8条の3までの規定により計算した退職手当の基本額に、第8条の4の規定により計算した退職手当の調整額を加えて得た額とすることと定めた規定である。

第3条(自己の都合による退職等の場合の退職手当の基本額)

 本条は、自己の都合による退職等の場合の退職手当の基本額について適用される退職の態様と退職手当の算定の基礎となる給料月額及びその支給割合を定めた規定である。

第1項

 本項の規定に該当する退職事由は、第4条又は第5条の規定に該当しないすべての場合である。その主な退職事由を整理すれば、次のとおりである。

ア 勤続期間にかかわらず自己都合により退職した場合

イ 勤続期間にかかわらず公務外傷病(通勤災害傷病を除く。)により退職した場合

ウ 11年未満勤続の公務外死亡により退職した場合

エ 11年未満勤続の定年等により退職した場合

オ 11年未満勤続の非違によることなく勧奨を受けて退職した場合

※ 「定年等」とは、地方公務員法第28条の2第1項の規定による退職又は同法第28条の3第1項の期限若しくは同条第2項の規定により延長された期限の到来による退職をいう。

※ 「給料」とは、

@ 給与条例に定める給料月額であって、給料の調整額は含むが、諸手当は一切含まれない。

〇 給料の調整額・・・・医師、看護師等に支給されるもの

〇 教職調整額・・・・・幼稚園教諭、保母等に支給されるもの

A 給料が日額で定められている場合は、日額の25日分(4週6休制を実施している組合市町にあっては、兵庫県市町村職員の一般職の職員の退職手当に係る勤務日数等の特例に関する条例第3条の規定により23日分、完全週休2日制を実施している組合市町にあっては、同条例附則第2項の規定により21日分)に相当する額とする。

B 規則で定める職員については、規則で定める給料月額とする。

《関連規則》

 規則で定める職員及び給料月額については、兵庫県市町村職員の退職手当及び負担金に係る給料月額の特例に関する規則参照

C 給料が休職、停職、減給、育児休業、育児短時間勤務等により一部又は全部を支給されない場合においては、これらの事由がないと仮定した場合の給料月額とする。

〔参考例〕

退職手当の基本額の合計額の算出方法

勤続期間22年で退職手当の計算の基礎となる給料月額374,500円の場合

(1) 勤続期間1年以上10年以下の期間

100/100× 10(年) =1000/100・・・・・・ @

(2) 勤続期間11年以上15年以下の期間

110/100× 5(年) =550/100・・・・・・・ A

(3) 勤続期間16年以上20年以下の期間

160/100× 5(年) =800/100・・・・・・・ B

(4) 勤続期間21年以上22年以下の期間

200/100× 2(年) =400/100・・・・・・・ C

合計(@+A+B+C)=2750/100

〔関連附則〕

附則第10項及び一般職条例の一部改正条例(平成25年条例第1 号)第2項

2750/100×83.7/100 =2301.75/100

支給額 = 374,500円 ×2301.75/100  = 8,620,053円

第2項

 本項は、傷病又は死亡によらず、その者の都合により退職した者のうち、勤続期間の短い者に対する退職手当の減額規定である。

※ 「その者の都合により退職した者」には、懲戒免職等処分を受けて退職をした者及び欠格条項(成年被後見人又は被保佐人を除く。以下同じ。)の規定により失職した者を含む。

※ 「傷病」とは、地方公務員等共済組合法第84条第2項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にある傷病である。すなわち、障害年金が支給される程度の重度の傷病をいう。

〇 減額規定を適用しない者(傷病又は死亡により退職した者以外のもの。) (国家公務員退職手当法の運用方針第3条関係)

(1) 定年により退職した者

(2) 勤務延長の期限の到来により退職した者

(3) 定年(令和5年度より60歳に読み替え)に達した日以後定年退職日の前日までにその者の非違によることなく退職した者

(4) 勤務延長の期限の到来前にその者の非違によることなく退職した者

(5) 非違によることなく勧奨を受けて退職した者

(6) 法律の規定に基づく任期を終えて退職した者((2)に該当する者を除く。)

第4条(11年以上25年未満勤続後の定年退職等の場合の退職手当の基本額)

 本条は、自己都合退職(第3条)でもなく、整理退職(第5条)でもなく、性質上その中間程度の退職手当を支給することが適当な退職の場合の支給割合を定めた規定である。

第1項

 本項の規定に該当する退職事由は、次のとおりである。

ア 11年以上25年未満勤続の定年等により退職した場合

イ 11年以上25年未満勤続の非違によることなく勧奨を受けて退職した場合

※ 「非違によることなく」とは、当該退職の原因が本人の落度によらないという意味であり、過去において軽微な、つまり免職に至らない程度の懲戒を受けていた事実があっても、それが当該退職の原因となるものでなければ、「非違によることなく」に該当するが、部下に対する監督上の責任をとって退職したような場合には「非違によることなく」に該当しないものと解される。

職員の退職に当たって、その原因が「非違によることなく」に該当するかどうかは任命権者が認定する。

※ 「勧奨」とは、人事の刷新、行政能率の維持・向上を図る等のため、任命権者が職員に自発的な退職意思を形成させるための事実上の慫慂行為であるとされている。

なお、定年制度施行後においては、勧奨退職と取り扱うためには、勧奨の事実について記録が作成(勧奨要綱の定めがない場合には、決裁文写)されたものでなければならないものとされた。(第7条参照)

勧奨がないのに任意に退職しても本条の適用はなく、第3条が適用される。

〇 選挙に立候補する場合

退職の主たる理由が選挙に立候補するためのものであることが明らかである場合には、勧奨退職としては取り扱わないものとする。(国家公務員退職手当法の運用方針第3条関係)

第2項

 本項の規定に該当する退職事由は、次のとおりである。

ア 11年以上25年未満勤続の通勤災害傷病により退職した場合

イ 11年以上25年未満勤続の公務外死亡により退職した場合

ウ 11年以上25年未満勤続の定年(令和5年度より60歳に読み替え)に達した日以後その者の非違によることなく退職した場合

※ 「定年に達した日」とは、その職員に適用される定年年齢に達した日であり、その計算方法については、「年齢ニ関スル法律」の定めるところによることとなる。すなわち、定年60歳の場合は、60歳の誕生日の前日が「定年に達した日」となる。

※ 「定年に達した日以後その者の非違によることなく退職した者」とは、職員が、@定年に達した日から定年退職日の前日までの間にその者の非違によることなく退職する場合、A勤務延長されて期限の到来までにその者の非違によることなく退職する場合(Aについて、期限の到来により退職する場合は第4条第1項)をいい、退職手当については、定年退職者と同様に取り扱うこととされている。

第5条(整理退職等の場合の退職手当の基本額)

 本条は、整理退職者、公務上の傷病若しくは死亡により退職した者又は長期勤続後の勧奨退職者若しくは定年等退職者等に対し、最高の支給率による退職手当を支給しようとすることと定めた規定である。

第1項

 本項の規定に該当する退職事由は、次のとおりである。

ア 整理により退職した場合

イ 公務上の傷病又は死亡により退職した場合

ウ 25年以上勤続の定年等により退職した場合

エ 25年以上勤続の非違によることなく勧奨を受けて退職した場合

第2項

 本項の規定に該当する退職事由は、次のとおりである。

ア 25年以上勤続の通勤災害傷病により退職した場合

イ 25年以上勤続の公務外死亡により退職した場合

ウ 25年以上勤続の定年(令和5年度より60歳に読み替え)に達した日以後その者の非違によることなく退職した場合

第5条の2(給料月額の減額改定以外の理由により給料月額が減額されたことがある場合の退職手当の基本額に係る特例)

 本条は、退職した者の基礎在職期間中に、給料月額の減額改定以外の理由によりその者の給料月額が減額されたことがある場合には、給料月額の減額前に早期退職する場合よりも退職手当額が大きく下がらないようにすることとした退職手当の基本額に係る特例を定めた規定である。

第1項

 本項は、本条を適用するための要件及び計算方法を定めている。

◎ 要件

1 退職した者の基礎在職期間中に給料月額の減額改定以外の理由によりその者の給料月額が減額されたことがあること。すなわち、本人の同意や分限処分による降格に伴う減額、給料表間異動に伴う減額等が適用対象となる。

※ 新制度切替日(職員が初めて新制度の適用を受けることとなった日をいう。)以前の降格等による給料月額の減額は特例の対象としない。

〔関連附則〕

一般職条例の一部改正条例(平成18年条例第4号)附則第7項

基礎在職期間の初日が新制度切替日前である者に対する改正後の条例第5条の2の規定の適用については、同条第1項中「基礎在職期間」とあるのは、「基礎在職期間(一般職条例の一部を改正する条例(平成18年条例第4号)附則第3項に規定する新制度切替日以後の期間に限る。)」とする。

〔関連附則〕

一般職条例の一部改正条例(平成18年条例第4号)附則第8項

新制度適用職員として退職した者で、その者の基礎在職期間のうち新制度切替日以後の期間に、新制度適用職員以外の職員としての在職期間が含まれるものに対する改正後の条例第5条の2の規定の適用については、その者が当該新制度適用職員以外の職員として受けた給料月額は、同条第1項に規定する給料月額には該当しないものとみなす。

2 特定減額前給料月額が退職日給料月額よりも多いこと。

「特定減額前給料月額」とは、職員の給料月額が給料月額の減額改定以外の理由により減額された場合において、当該減額された日(減

額日)において、給料月額の減額がなかったものとした場合のその者の給料月額のうちその額が最も多い(高い)ものをいう。

◎ 計算方法

退職手当の基本額= 特定減額前給料月額×減額日前日までの勤続期間に応じた支給率+{退職日給料月額×(退職日までの勤続期間に応じた支給率−減額日前日までの勤続期間に応じた支給率)}

〔計算例〕

就職年月日 昭和59年4月1日 

退職年月日 平成31年3月31日

勤続期間35年0月  定年退職

給料異動 平成29年1月  6級53号給   401,400円

平成29年7月   5級71号給   386,500円 降格

平成30年1月   5級73号給   387,400円

401,400円 ×  45.32355       = 18,192,872円 ・・・・ア

387,400円 × (47.709 − 45.32355) =   924,123円 ・・・・イ

ア + イ  = 19,116,995円

〇 「給料月額が減額されたことがある場合」には、通算された他の地方公務員等としての在職期間においてその者の給料月額が減額された場合、あるいは、他の地方公務員等を退職した際に受けていた給料月額より引き続き職員となった際に受けていた給料月額が少ない場合は該当しない。(国家公務員退職手当法の運用方針第5条の2関係)

〇 「給料月額の減額改定以外の理由」には、給料表の適用を異にして異動した結果、異動前に受けていた給料月額より少なくなった場合を含む。(国家公務員退職手当法の運用方針第5条の2関係)

第2項

 本項は、基礎在職期間について定めている。

 基礎在職期間とは、その者が在職していた期間の長さを示す在職期間とは別に、単なる期間の長さだけでなく日付にも着目した期間であって退職手当の支給の基礎となるものとして規定する引き続いた期間(通算した在職期間全体そのもの)を指す概念である。

第5条の3(定年前早期退職者に対する退職手当の基本額に係る特例

 本条は、定年に達する日(令和5年度以降からは定年を60歳と読み替える。)以後における最初の3月31日の1年前までに勧奨、公務上の傷病・死亡又は整理により退職した者で、その勤続期間が20年以上であり、かつ、その年齢が定年から15年を減じた年齢以上であるものに係る退職手当の計算の基礎となる給料月額の特例を定めた規定である。

 なお、これを式にして表わせば次のとおりである。

特例給料月額=(退職日給料月額)×{1+3%×(定年とその者の退職の日以後の最初の3月31日におけるその者の年齢との差に相当する年数)}

〇 特例給料月額の1円未満の端数処理については、その端数を切り捨てることなく、そのままの額を退職手当支給率に乗ずることとし、確定金額において1円未満の端数があるときは、国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律第2条の規定に基づいて切り捨てることとする。

本条適用者で、かつ、第5条の2の対象となる者は、「特定減額前給料月額」と「退職日給料月額」の両方が割増の対象となる。   

退職手当の基本額 = 

〔特定減額前給料月額×{1+3%×(定年とその者の退職の日以後の最初の3月31日におけるその者の年齢との差に相当する年数)}×減額日前日までの勤続期間に応じた支給率〕+〔退職日給料月額×{1+3%×(定年とその者の退職の日以後の最初の3月31日におけるその者の年齢との差に相当する年数)}×(退職日までの勤続期間に応じた支給率−減額日前日までの勤続期間に応じた支給率)〕

 

第6条(公務又は通勤によることの認定の基準)

 本条は、退職の理由となった傷病又は死亡が公務上のもの又は通勤によるものであるかを認定するに当たっての基準について定めた規定である。

第7条(勧奨の要件)

 本条は、勧奨退職は当該勧奨の事実について、記録が作成されたものでなければならないと規定したものである。

《関連規則》

勧奨の記録については、規則第19条の11及び様式第18号の18参照

第8条(退職手当の基本額の最高限度額)

 本条は、退職手当の基本額の最高限度を定めた規定であり、退職手当の最高支給率が退職手当の計算の基礎となる給料月額の60月分に止められている。

 なお、本条は、平成17年3月31日までの間における自己都合、公務外傷病及び勤務公署の移転に伴う勤続46年以上の退職者に適用されていたが、平成30年4月1日から、全ての退職者については、最高支給率が47.709月分となる。

第8条の2

 本条は、第5条の2(給料月額の減額改定以外の理由により給料月額が減額されたことがある場合の退職手当の基本額に係る特例)対象者に係る退職手当の基本額の最高限度額を定めた規定である。

第8条の3

 本条は、第5条の3(定年前早期退職者に対する退職手当の基本額に係る特例)対象者に係る退職手当の基本額の最高限度額を定めた規定である。

第8条の4(退職手当の調整額)

 本条は、在職期間中の貢献度をより的確に反映し、人材流動化等にもより対応できる制度となるようにとの観点から職員の在職期間のうち、職務の級等が高い方から60月分(5年分)を勘案した一定額を従来からの算定方法による退職手当の基本額に加算することと定めた規定である。

第1項 

 本項は、調整額の算定の対象となる基礎在職期間及び当該期間から除外する期間並びに職員の区分及び当該区分の額を定めている。

ア 調整額の算定の対象となる基礎在職期間は、第5条の2第2項に規定する基礎在職期間である。

イ 現実に職務を執ることを要しない期間が1月の全期間にわたる場合には、その月は期間除算の対象となるが、1月のうちに職務を執ることを要する期間と要しない期間とがある場合には、その月は除算の対象とはならない。また、現実に職務を執らない期間であっても、単なる無断欠勤、休暇等の場合は、在職期間の除算を行うことはできない。

 上記の当該各月にその者が属していた次の各号に掲げる職員の区分に応じて当該各号に定める額のうちその額の最も多い(高い)ものから60月分を調整額として加算する。

(1) 第1号区分 70,400円

(2) 第2号区分 65,000円

(3) 第3号区分 59,550円

(4) 第4号区分 54,150円

(5) 第5号区分 43,350円

(6) 第6号区分 32,500円

(7) 第7号区分 27,100円

(8) 第8号区分 21,700円

(9) 第9号区分      0円

第2項 

 本項は、基礎在職期間に国又は他の地方公共団体の期間がある場合の調整額に係る取扱について定めている。

第3項

 本項は、第1項各号に掲げる職員の区分は、組合市町ごとに規則で定めることとしている。

《関連規則》

 退職手当の調整額等に関する規則第3条・別表第1参照

第4項

 本項は、退職手当の調整額の特例措置について定めている。

ア 自己都合退職以外の勤続1年以上4年以下の退職者については、計算した額の2分の1の額

イ 自己都合退職以外の勤続0年の退職者については、0円

ウ 自己都合退職の勤続10年以上24年以下の退職者については、計算した額の2分の1の額

エ 自己都合退職の勤続9年以下の退職者については、0円

表にすると次のとおりである。

退職事由

勤続期間(年)

調整額の計算の特例

自己都合退職

〜9

0円

10〜24

2分の1の額

25〜

   −

自己都合退職以外

0円

1〜4

2分の1の額

5〜24

   −

25〜

   −

第5項

 本項は、調整月額に順位を付す方法等を規則で定めることとしている。

《関連規則》

 退職手当の調整額等に関する規則第4条参照

○ 月の途中で昇任又は降任したこと等により同一月において複数の職員の区分に属する場合は、その月は調整額が最も高い額となる職員の区分に属していたものとする。(第1項)

○ 調整月額でその額の等しいものが複数ある場合には、その者の基礎在職期間の末日の属する月に近い月に係るものを先順位とする。(第2項)

第8条の5(一般の退職手当の額に係る特例)

 本条は第5条第1項に規定する者で、短期勤続者に対する最低保障措置を講じたものである。

〔参考例〕

 勤続期間3年、退職時の給料月額208,500円、扶養手当(妻) 13,000円、地域手当(6%)13,290円の場合

147/100 × 3年 × 208,500円 = 919,485円

540/100 × (208,500円 + 13,000円 + 13,290円) =1,267,866円

したがって、この場合は、1,267,866円が退職手当として支給されることとなる。

第2項

 本項は、前項の退職手当の額の計算の基礎となる基本給月額について定めている。

〔関連附則〕

 基本給月額に含まれる給料の月額については、附則第22項参照

第9条勤続期間の計算

 本条は、勤続期間の計算方法について定めた規定である。

第1項

 本項は、勤続期間の計算は「職員として引き続いた在職期間」により計算されることと定めている。

第2項

 本項は、在職期間の計算が月計算の方法によることと定めている。在職期間の計算は、職員となった日の属する月から退職した日の属する月までの月数による。

第3項

 本項は、職員が退職の日又はその翌日付けで再就職した場合に退職手 当が支給されないことは第15条の2に規定しているとおりであるが、その場合、前後の在職期間を引き続いたものとして取り扱うこととする ものである。また、本項括弧内の規定は、職員が退職し、退職の日又はその翌日に職員として再就職した場合であっても、第14条の2第1項 各号に該当する場合には当該在職期間に対する退職手当の全部又は一部 が支給されないことから、当該退職までの在職期間は再就職後の在職期間には引き続いたものとして取り扱うこととしないという意味である。

第4項

 本項は、退職手当が勤続に対する報償であるという性質をもつことに かんがみ、引き続いた在職期間のうち休職月等があった場合には、勤続 期間の計算上、その期間を半減し、又は全期間を除算することと定めている。

ア 2分の1の期間除算

○ 地方公務員法第27条、第28条に規定する休職期間(公務上の傷病又は通勤による傷病による休職を除く。)

○ 地方公務員法第29条に規定する停職期間

○ 育児休業に関する法律に基づく育児休業期間(次項に例外規定あり)

○ 地方公務員法第26条の5第1項に規定する自己啓発等休業期間(公務要件に該当)

○ その他これらに準ずる事由により現実に職務に従事することを要しない期間

イ 全期間除算

〇 地方公務員法第26条の5第1項に規定する自己啓発等休業期間(公務要件に非該当)

〇 地方公務員法第55条の2第1項ただし書に規定する事由(専従の許可)による期間

〇 その他これらに準ずる事由により現実に職務に従事することを要しない期間

第5項

 本項は、前項の規定にかかわらず次の休職月等があった場合には、勤続期間の計算上、その期間の3分の1の期間を除算することと定めている。

3分の1の期間除算

○ 育児休業に関する法律に基づく育児休業期間(育児休業に係る子が1歳に達した日の属する月までの期間に限る。)

○ 育児休業に関する法律に基づく育児短時間勤務の期間

第6項

 本項は、在職期間中に高齢者部分休業月があったときは、その月数の2分の1の月数を在職期間から除算することと定めている。

第7項

 本項は、他の地方公共団体を退職した者が引き続いて職員となった場合において、他の地方公共団体の職員であった期間を職員としての在職期間に通算することについての申請があったときは、その期間を通算することと定めている。

第8項

 本項は、前項の場合において、その者の他の地方公共団体の勤続期間の計算は、当該他の地方公共団体の規定の例によることと定めている。

第9項

 本項は、在職期間の端数計算について定めている。

〇 在職期間に1年未満の端数がある場合には、その端数は切り捨てる。

〇 在職期間(就職してから)が6月以上1年未満の場合は、1年とする。

〇 傷病又は死亡による第3条第1項の退職、第4条の退職(勤務公署の移転)及び第5条の退職(整理又は公務上の傷病若しくは死亡)の場合にあっては、在職期間(就職してから)が6月未満であっても1年とする。

第10項

 本項は、前条における最低保障額の計算及び第13条における失業者の退職手当の額の計算については、前項の端数計算の規定をそのまま適用することは、その性質上適当でないため、その適用を除外することと定めている。

第11項

 本項は、第13条の規定による失業者の退職手当の額の計算における勤続期間の計算について1月未満の端数がある場合は、その端数を切り捨てることと定めている。

第10条(勤続期間の計算の特例)

 退職手当の算定の基礎となる勤続期間の計算は、職員としての引き続いた在職期間によることを原則としているが、本条は、この原則の特例を定めた規定である。

第1号

 本号は、常勤的非常勤職員の勤続期間の計算については、常勤的非常勤職員として引き続いた在職期間だけでなく、常勤的非常勤職員となる前の非常勤職員としての引き続いて勤務した12月の期間についても、職員としての引き続いた在職期間としての勤続期間の計算の対象とすることと定めている。

第2号

 本号は、非常勤職員から引き続いて常勤職員となった者の勤続期間については、非常勤職員としての引き続いて勤務した月が12月以内であっても、その期間は、常勤職員としての引き続いた在職期間と通算して12月を超える場合には、職員として勤続期間の対象とすることと定めている。

《関連規則》

 就職(転入)報告書及び常勤的非常勤職員の加入報告書の提出時期(規則第14条及び第19条関係)

@ 就職(転入)報告書‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥A

A 常勤的非常勤職員の加入報告書‥‥‥‥‥‥‥B

B 異動報告書(職名の変更)‥‥‥‥‥‥‥‥‥A'

第10条の2外国の地方公共団体の機関等に派遣された職員の在職期間の計算

 本条は、外国の地方公共団体の機関等に派遣される一般職の地方公務員の処遇等に関する法律の規定による職員の派遣期間中の業務上の災害及び在職期間の取扱いについて定めた規定である。

第1項

 本項は、海外派遣後職務に復帰した職員が退職した場合について、派遣先の機関の業務を公務とみなすことと定めている。

第2項

 本項は、在職期間の計算において、海外派遣の期間を除算しないことと定めている。

第11条(公益的法人等へ派遣された職員等の在職期間の計算

 本条は、公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律の規定による派遣期間中の業務上の災害、在職期間の取扱い及び派遣後職務に復帰した場合の退職手当の取扱いについて定めた規定である。

第1項

 本項は、公益的法人等又は特定法人派遣後職務に復帰した職員が退職した場合におけるこの条例の規定の適用について、派遣先団体の業務上の傷病又は死亡を公務上の傷病又は死亡と、当該業務に係る通勤傷病を職務上の通勤傷病とみなすことと定めている。

第2項

 本項は、在職期間の計算において、公益的法人等派遣の期間のうち、育児休業の期間を除き、除算しないことと定めている。

第3項

 本項は、公益的法人等派遣職員が派遣先団体から退職手当等の支給を受けた場合については、前項の規定は適用しないものとし、派遣期間の2分の1の期間を除算することとしている。

第12条(予告を受けない退職者の退職手当

 本条は、労働基準法に基づく解雇予告手当及び船員法に基づく雇止手当との調整を図るための退職手当について定めた規定である。すなわち、地方公務員法第58条第3項では、労働基準法第20条及び第21条並びに船員法第46条の規定の適用を除外していないことから、職員の退職がこれらの規定に該当する場合は、原則として解雇予告手当又は雇止手当が支給されることとなるため、これらの手当は一般の退職手当に含まれることとし、一般の退職手当の額が、これらの手当の額に満たないときは、その差額分を特別の退職手当として支給することと規定したものである。

第13条(失業者の退職手当)

 本条は、職員が退職した場合において、退職時に支給された退職手当の額が雇用保険法の失業給付相当額に満たず、かつ、退職後一定の期間失業しているときは、その差額分を特別の退職手当として失業の認定を受けた後に支給することと定めた規定である。

第1項

 本項は、一般の退職手当及び予告を受けない退職者の退職手当(以下 「一般の退職手当等」という。)の支給を受けた者に対し、その額が雇用保険法に規定する基本手当の支給総額に達しない場合には、その差額分を特別の退職手当として支給することと定めている。

 なお、本項に規定する退職手当の支給を受けるためには、次の4つの要件が必要である。

〇 原則として、勤続期間が12月以上で退職した職員であること。

〇 退職時に支給された一般の退職手当等の額が雇用保険法の規定による基本手当の支給総額に満たないこと。

〇 退職日の翌日から起算して1年(受給資格者の区分により、1年に30日又は60日を加えた期間となる者がある。)の期間内(当該1年の期間内に妊娠、出産、育児等その他規則で定める理由により30日以上職業に就くことができない者については、4年を限度として、職業に就くことができない日数を加算する。以下「支給期間」とい う。)に失業していること。

〇 待期日数を超えて失業していること。

※ 「失業」とは、職員が離職し、労働の意志及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあることをいう。

※ 「待期日数」とは、退職時に支給された一般の退職手当等の額を基本手当の日額で除して得た数に等しい日数をいう。

※ 「基本手当の日額」とは、退職の月前における最後の6月(月の末日に退職した場合には、その月及び前5月)に支払われた給与(臨時に支払われる給与及び3箇月を超える期間ごとに支払われる給与を除く。)を180で除してその者の賃金日額(ただし、算出された賃金日額が下限額を下るときは下限額を、上限額を超えるときは上限額を、それぞれ賃金日額とする。)を算定し、その賃金日額に基づき厚生労働省が発表する基本手当日額の計算式及び金額により計算した日額をいう。

〔参考例〕

退職の月前6月に支払われた給与の総額(地域・超過勤務・住居・通勤手当等を含む。) 1,721,980円

C 退職時の年齢 23歳

D 勤続期間 2年

(賃金日額の算出)

条例施行規則第21条第1項の規定により退職前6月に支払った給与総額  1,721,980円

1,721,980円 ÷ 180日 = 9,566円(賃金日額)

(基本手当の日額の算出)

離職時の年齢が30歳未満の者の基本手当日額の計算式及び金額

賃 金 日 額 (w)

基 本 手 当 日 額 (y)

 2,500 円以上5,010 円未満

y=0.8w

 5,010 円以上12,330円以下

y=0.8w− 0.3{(w−5010)/7320 }w

 12,330円超 13,630円以下

y=0.5w

 13,630円超

y=6,815(上限額)

0.8×9566−0.3{(9566-5010)/7320 }9566=5,866円(基本手当の日額)

(所定給付日数)

 自己の意思による退職であって、勤続年数が10年未満であるので、雇用保険法第22条第1項第3号の規定による所定給付日数90日分

(待期日数)

 一般職条例第13条第1項に規定する待期日数

 既に支給した一般の退職手当/基本手当の日額 =204,998円/5,866円= 34日

(基準支給日数)

 所定給付日数 − 待期日数 = 90日 − 34日= 56日

(給付開始年月日等)

 求職申込日から雇用保険法第33条第1項の規定による給付制限の日数(3箇月以内)及び待期日数を経過後、失業の認定を受けた日について、基準支給日数を限度として支給される。

(参考) 所定給付日数一覧表(雇用保険法第22条)

一般の退職者(特定受給資格者、特定個別延長給付の対象者を除く。)

勤続期間

10年未満

10年以上

20年未満

20年以上

所定給付日数

90日

120日

150日

《関連規則》

 特定受給資格者については、規則第25条の2参照

第2項

 本項は、基準勤続期間の算定方法について定めている。

 所定給付日数が職員の勤続期間に応じて定められているため、職員等であった期間は原則としてすべて通算されることとなる。ただし、その期間のうちに次の期間が含まれているときは、その期間のすべてが通算されないこととなる。

@ 職員等となった日前1年の期間内にその直前の職員等であった日がない場合は、その直前の職員等でなくなった日前の職員等であった期間

A 退職手当の支給を受けたことのある職員については、その退職の日前に職員等であった期間

第3項

 本項は、第14条の2(懲戒免職等処分を受けた場合等の退職手当の支給制限)又は第14条の3(退職手当の支払の差止め)又は第14条の4(退職後禁錮(こ)以上の刑に処せられた場合等の退職手当の支給制限)の規定に該当することにより一般の退職手当等の全部を支給しない場合にあっても、その者の生活保障という観点から、支給期間内に失業している場合においては、基本手当に相当する退職手当を支給することと定めている。

第4項

 本項は、定年退職等をした者について、求職活動を容易にするため、受給期間について特例を定めている。

第5項

 本項は、一般の退職手当等の支給を受けた者に対する高年齢求職者給 付金に相当する退職手当の支給に関して定めている。

 同一の地方公共団体に65歳に達する日の前日から引き続いて65歳に達した日以後雇用された者が失業した場合には、高年齢求職者給付金(被保険期間に応じ、基本手当の日額の30日分から50日分)の額からその者が既に支給を受けた一般の退職手当等を控除した額を支給する。

第6項

 本項は、一般の退職手当等の支給を受けなかった者(第14条の2又は第14条の3又は第14条の4の規定により退職手当の全部の支給制限処分又は支払の差止め処分を受けたもの)に対する高年齢求職者給付金に相当する退職手当の支給に関して定めている。

第7項

 本項は、季節的に雇用される者で、一般の退職手当等の支給を受けた者に対する特例一時金に相当する退職手当の支給に関して定めている。

※ 「特例一時金」とは、季節的に雇用される者(一定の要件を満たす者)について、失業に伴う失業給付と被保険者の負担との均衡等を図る観点から、基本手当に代えて、基本手当の日額の50日分に相当する額を一時金で支給するものである。

第8項

 本項は、一般の退職手当等の支給を受けなかった者(第14条の2から第14条の4までの規定により退職手当の全部の支給制限処分又は支払の差止め処分を受けたもの)に対する特例一時金に該当する退職手当の支給に関して定めている。

第9項

 本項は、前2項の規定に該当する者(以下「特例受給資格者」という。)が特例一時金に相当する退職手当の支給を受ける前に公共職業安定所の長が指示する公共職業訓練等を受講する場合には、当該退職手当を支給せず、公共職業訓練等の受講が終わる日まで基本手当に相当する退職手当を支給するという特例受給資格者に対する給付の特例を定めている。

第10項

 本項は、第1項、第3項又は前項の規定により、基本手当に相当する退職手当の支給を受けることとされる職員が雇用保険法の定める基本手当の給付日数の延長事由に該当する場合には、当該延長に係る基本手当に相当する退職手当を支給することと定めている。

〇 就職者が組合長の指示により、公共職業訓練等を受講する場合(第1号)

〇 厚生労働大臣が職業安定法第19条の2の規定する広域職業紹介を命じた場合において、公共職業安定所長が受給資格者に対し、当該命令に係る職業斡旋を適当と認めた場合(第2号)

〇 失業の状況が全国的に著しく悪化し、一定の基準に該当するに至った場合において、受給資格者の就職状況に照らし、全受給資格者を対象として給付日数を延長する場合(第3号)

第11項

 本項は、基本手当に相当する退職手当の支給を受ける者に対して、当該基本手当に相当する退職手当に付加して支給される退職手当の内容を定めている。

〇 技能習得手当・・・・・・組合長の指示により、公共職業訓練等を受講する場合に、その受講を容易にするため、基本手当のほかに、一定額の手当を支給しようとするものであり、その内容は、受講手当、特定職 種受講手当及び通所手当に分類される。

〇 寄宿手当・・・・・・組合長の指示した公共職業訓練等を受講するため、 その者により生計を維持されている同居の親族と別居して寄宿する場合には、その間、基本手当のほかに、毎月定額を支給するものである。

〇 傷病手当・・・・・・離職後、公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをした後に傷病により職業に就き得ない場合に、基本手当に代えて支給するものである。ただし、支給額は基本手当と同額であり、その支給日数は、基本手当に係る所定給付日数を限度とする。

〇 就業促進手当(再就職手当、就業手当、常用就職支度手当)・・・・・・受給資格者が職業に就いた場合において、組合長が必要があると認めたときに支給するものであり、その内容は、再就職手当、就業手当及び常用就職支度手当に分類される。

● 再就職手当・・・受給資格者が安定した職業に就いた場合において、組合長が必要があると認めたときに基本手当の支給残日数の60%又は70%に相当する日数分の額を支給するものである。

 この支給残日数とは、所定給付日数から、既に支給した基本手当又は傷病手当に相当する退職手当の日数を差し引いた日数をいう。ただし、それによって計算して得た日数が、その職業に就いた日から受給期間の最後の日までの日数を超えるときは、その日数が支給残日数となる。

(勤続5年の場合の計算)→所定給付日数90日

@ 90日−(A日+B日)≦C日の場合

支給残日数= 90日−(A日+B日)

A 90日−(A日+B日)>C日の場合

支給残日数= C日

支給残日数 ≧ 30日(90日÷3)であり、かつ45日以上である場合は、再就職手当に相当する退職手当を支給することとなる。

上記以外の支給要件

@ 1年を超えて引き続き雇用されることが確実と認められた職業に就いたこと。

A 退職前の事業主に再び雇用されたものでないこと。

B 就職日前3年以内の就職について再就職手当又は常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと。

C 受給資格に係る離職理由により給付制限(基本手当が支給されない期間)がある方は、求職申込をしてから、給付制限中の1か月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること。

● 就業手当・・・基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上、かつ、45日以上である受給資格者が再就職手当の支給対象と

ならない常用雇用等以外の形態で就業した場合において、一定の要件を満たしたときに支給される。

● 常用就職支度手当・・・就職促進給付として身体障害者その他の就職が困難な者が、公共職業安定所の紹介により安定した職業に就いた場合に支給するものである。ただし、再就職手当又は就業手当の支給を受けることができる者については、常用就職支度手当が支給されない。

〇 移転費・・・・・・公共職業安定所の紹介した職業に就くため、又は組合長の指示した公共職業訓練等を受講するため、その住所又は居所を変更する場合で、組合長が必要と認めたときに、交通費、引越し料等その者の移転に要する費用を支給するものである。

〇 広域求職活動費・・・・・・公共職業安定所の紹介により広範囲にわたる求職活動を行う場合で、組合長が必要と認めたときに、広域求職活動を行った距離及び寄宿数に応じて、交通費及び宿泊料を支給するものである。

第12項

 本項は、傷病手当に相当する退職手当の支給できる日数の上限を定めている。

第13項

 本項は、傷病手当が基本手当に代えて支給される給付であるところから、傷病手当に相当する退職手当の支給を受け、その後、基本手当に相当する退職手当の支給を受けるに至った場合には、傷病手当に相当する退職手当が支給された日数分は、基本手当に相当する退職手当の支給があったこととみなすことと定めている。

第14項

 本項は、前項と同様に就業促進手当に相当する退職手当の支給を受けた場合には、就業促進手当が支給された日数分は、基本手当に相当する退職手当の支給があったものとみなすことと定めている。

第15項

 本項は、特例受給資格者(特例一時金に相当する退職手当の支給を受けた者であって、退職の日の翌日から起算して6月を経過していない者を含む。)に対して、第11項各号に掲げる諸給付に相当する退職手当のうち、就職促進給付に相当する退職手当(就業促進手当、移転費及び広域求職活動費に相当する退職手当)を雇用保険法に規定する給付条件に従い、支給することと定めている。

第16項

 本項は、偽りその他不正の行為によって、条例に定める失業者の退職手当を受給した者に対しては、雇用保険法の定めを準用して、返還命令等の措置を講じることと定めている。

第17項

 本項は、同一の失業日について、失業者の退職手当と雇用保険法の規定による失業給付とが二重に支給されることを防止するための規定である。

第14条(定義)

 本条は、退職手当について新たな支給制限及び返納の制度を設けるに当たり、「懲戒免職等処分」及び「懲戒免職等処分機関」の定義について定めた規定である。

ア 懲戒免職等処分とは、地方公務員法第29条の規定による懲戒免職の処分その他の職員としての身分を職員の非違を理由として失わせる処分をいう。

イ 懲戒免職等処分機関とは、地方公務員法その他法令の規定により職員の退職の日に職員に対し懲戒免職等処分を行う権限を有していた機関をいう。ただし、当該機関が退職後に廃止された場合については、当該職員の占めていた職を占める職員に対し懲戒免職等処分を行う権限を有する機関をいう。

〇 「その他の職員としての身分を職員の非違を理由として失わせる処分」とは、地方公務員法の適用を受けない職員が、他の法令の規定によりこれらに規定する地方公務員法の規定に実質的に該当する場合をいう。(国家公務員退職手当法の運用方針第11条関係)

※ 「当該機関が退職後に廃止された場合」とは、例えば、組織の一部が一般地方独立行政法人化する場合が想定される。

第14条の2(懲戒免職等処分を受けた場合等の退職手当の支給制限)

 本条は、懲戒免職等処分を受けた場合等における退職手当の支給制限について定めた規定である。

第1項

 本項は、一般の退職手当が勤続報償的性格を有しているところから、 退職の事由が懲戒免職等処分を受けた場合又は欠格条項の規定による失 職又はこれに準ずる退職をした場合には、組合長は、退職をした者(退職をした者が死亡したときは、一般の退職手当等の支払を受ける権利を承継した者。以下「受給権継承者」という。)に対し、次に掲げる事項を勘案して、一般の退職手当等の全部又は一部を支給しないこととする処分を行うことができることと定めている。

ア 占めていた職の職務及び責任

イ 勤務の状況

ウ 非違の内容及び程度

エ 非違に至った経緯

オ 非違後におけるその者の言動

カ 非違が公務の遂行に及ぼす支障の程度

キ 非違が公務に対する信頼に及ぼす影響

〇 非違の発生を抑止するという制度目的に留意し、一般の退職手当等の全部を支給しないこととすることを原則とするものとする。(国家公務員退職手当法の運用方針第12条関係)

〇 一般の退職手当等の一部を支給しないこととする処分にとどめることを検討する場合は、退職した者が行った非違の内容及び程度について、次のいずれかに該当する場合に限定する。その場合であっても、公務に対する国民の信頼に及ぼす影響に留意して、慎重な検討を行うものとする。(国家公務員退職手当法の運用方針第12条関係)

@ 停職以下の処分にとどめる余地がある場合に、特に厳しい措置として懲戒免職等処分とされた場合

A 懲戒免職等処分の理由となった非違が、正当な理由がない欠勤その他の行為により職場規律を乱したことのみである場合であって、特に参酌すべき情状のある場合

B 懲戒免職等処分の理由となった非違が過失(重過失を除く。)による場合であって、特に参酌すべき情状のある場合

C 過失(重過失を除く。)により禁錮(こ)以上の刑に処せられ、執行猶予を付された場合であって、特に参酌すべき情状のある場合

《関連規則》

 懲戒免職等処分又は失職した場合の退職手当の支給制限に関する報告については、規則第19条の2及び様式第18号の6参照

第2項

 本項は、前項の処分を行う場合には、理由を付記した書面により通知しなければならないことと定めている。

第3項

 本項は、前項の通知をする場合に、本人が行方不明のときは、処分内容を事務所の掲示場に掲示することで通知に代えることができる旨を定めている。この場合、掲示日から2週間後に通知が本人に到達したものとみなすことと定めている。

第14条の3(退職手当の支払の差止め)

 本条は、職員が刑事事件に関し起訴をされ、その判決の確定前に退職をした場合等における一般の退職手当等の支払を差し止める処分について定めた規定であり、新たな支給制限制度の創設に併せて、旧条例の「起訴中に退職した場合等の退職手当の取扱い」を再構成したものである。

第1項

 本項は、退職をした者が次のいずれかに該当するときは、組合長は、一般の退職手当等の支払を差し止めることと定めている。

ア 刑事事件に関し起訴をされた場合において、判決の確定前に退職をしたとき

イ 退職をした者に対しまだ一般の退職手当等が支払われていない場合において、刑事事件に関し起訴をされたとき

※ 「刑事事件」は、いわゆる職務関連行為に限定されず、刑事事件一般が対象となる。

※ 「起訴」は、禁錮(こ)以上の刑が定められている犯罪に限り、略式起訴を除く。

※ イの起訴(退職後の起訴)については、基礎在職期間中の行為に係る刑事事件に限る。

《関連規則》

 起訴をされた場合の報告については、規則第19条の3第1項及び様式第18号の7参照

第2項

 本項は、退職をした者に対しまだ一般の退職手当等が支払われていない場合において、次のいずれかに該当するときは、組合長は、一般の退職手当等の支払を差し止める処分を行うことができることと定めている。

ア 基礎在職期間中の行為に係る刑事事件に関して、逮捕されたとき又は懲戒免職等処分機関がその者から聴取した事項若しくは調査により判明した事実に基づき犯罪があると思料するに至ったときであって、組合長が一般の退職手当等を支払うことが公務に対する信頼を確保する上で支障を生ずると認めるとき。

イ 懲戒免職等処分機関が、在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為(非違に当たる行為であって、非違の内容及び程度に照らして懲戒免職等処分に値することが明らかなもの)をしたことを疑うに足りる相当な理由があると思料するに至ったときであって、組合長が一般の退職手当等を支払うことが公務に対する信頼を確保する上で支障を生ずると認めるとき。

第3項

 本項は、死亡退職をした者の遺族(退職者の受給権継承者又は遺族の受給権継承者を含む。)に対しまだ一般の退職手当等が支払われていない場合において、懲戒免職等処分機関が、在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為(非違に当たる行為であって、非違の内容及び程度に照らして懲戒免職等処分に値することが明らかなもの)をしたことを疑うに足りる相当な理由があると思料するに至ったときであって、組合長が一般の退職手当等を支払うことが公務に対する信頼を確保する上で支障を生ずると認めるときは、遺族に対し、一般の退職手当等の支払を差し止める処分を行うことができることと定めている。

《関連規則》

 前項又は本項に該当した場合の報告については、規則第19条の3第2項及び様式第18号の8参照

第4項 

 本項は、前3項の規定による一般の退職手当等の支払を差し止める処分(以下「支払差止処分」という。)を受けた者は、行政不服審査法第14条第1項(審査請求期間・60日以内)又は第45条(異議申立期間・60日以内)に規定する期間が経過した後においても、支払差止処分後の事情の変化を理由に、組合長に対し、その取消しを申し立てることができることと定めている。

第5項 

 本項は、第1項又は第2項の規定による退職をした者に対する支払差止処分を行った組合長は、次のいずれかに該当したときは、速やかに支払差止処分を取り消さなければならないことと定めている。

ア 無罪の判決が確定した場合

イ 判決が確定した場合(禁錮(こ)以上の刑に処せられた場合及び無罪の判決が確定した場合を除く。)又は不起訴処分があった場合であって、次条第1項の規定による支給制限処分を受けることなく、判決が確定した日又は不起訴処分があった日から6月を経過した場合

※ 「6月を経過した場合」とあるのは、禁錮(こ)以上の刑ではないことが確定した場合であっても、第14条の4の規定により、懲戒免職等処分を受けるべき行為をしたと認められたときには支給制限処分がなされる場合があるため、さらに6月の間当該処分が行われないことが必要と考えられることによる。

ウ 在職期間中の行為に係る刑事事件に関し起訴をされることなく、かつ、次条第1項の規定による支給制限処分を受けることなく、支払差止処分を受けた日から1年を経過した場合(現に逮捕されているときその他これを取り消すことが支払差止処分の目的に明らかに反するときを除く。)

第6項

 本項は、第3項の規定による支払差止処分を受けた者が次条第2項の規定による支給制限処分を受けることなく支払差止処分を受けた日から1年を経過した場合には、速やかに支払差止処分を取り消さなければならないことと定めている。

第7項

 本項は、支払差止処分後に判明した事実又は生じた事情に基づき、支払を差し止める必要がなくなった場合は、前2項の該当を待つまでもなく支払差止処分を取り消すことができることと定めている。

《関連規則》

 退職手当の支払差止理由がなくなった場合の報告については、規則第19条の3第3項又は第4項及び様式第18号の9参照

第8項

 本項は、支払差止処分を受けた退職者に対する失業者の退職手当の規定の適用については、支払差止処分が取り消されるまでの間、一般の退職手当等の支給を受けない者とみなすことと定めている。

第9項 

 本項は、支払差止処分中に失業者の退職手当の支給を受けた場合において、処分取消後に支給される一般の退職手当等との調整規定である。

〔参考例〕

 支給すべき退職  既に支給を受けた失業者  第9項の規定の適用により

 手当の額

(1) 800,000円  −  200,000円  =  600,000円

(2) 180,000円  <  200,000円  =        0円

第10項

 本項は、支払差止処分を行うに当たっては、次の規定を準用することと定めている。

ア 処分を行うときは、書面により通知しなければならないこと

イ 行方不明者への通知については、処分内容を事務所の掲示場に掲示することで通知に代えることができること

第14条の4(退職後禁錮(こ)以上の刑に処せられた場合等の退職手当の支給制限)

 本条は、職員の非違行為により過去の功績が没却されるとの観点から、「禁錮(こ)以上の刑に処せられて失職した場合」または「懲戒免職等処分を受けて退職した場合」に退職手当が支給制限されることに鑑み、退職後であっても在職期間中に非違行為があった場合には退職手当の支給制限処分を行うことができることと定めた規定である。

第1項

 本項は、一般の退職手当等が支払われていない場合において、次のいずれかに該当するときは、組合長は、退職をした者(ア又はイに該当する場合において、退職をした者が死亡したときは、退職者の受給権継承者)に対し、第14条の2第1項に規定する事情及び同項各号に規定する退職をした場合の一般の退職手当等の額との権衡を勘案して、一般の退職手当等の全部又は一部を支給しないこととする処分を行うことができることと定めている。

ア 刑事事件(退職後に起訴された場合は、職員の在職期間中の行為に係る刑事事件に限る。)に関し退職後に禁錮(こ)以上の刑に処せられたとき。

イ 職員の在職期間中の行為に関し地方公務員法第29条第3項の規定による再任用職員に対する免職処分を受けたとき。

ウ 懲戒免職等処分機関が、職員の在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為をしたと認めたとき(イを除く。)。

※ 「刑に処せられた」とは、刑を言い渡した判決が確定することをい い、執行猶予の言い渡しが付いているといないとを問わない。

第2項

 本項は、死亡による退職をした者の遺族(退職者の受給権継承者又は遺族の受給権継承者を含む。)に対しまだ一般の退職手当等が支払われていない場合において、「懲戒免職等処分機関が、退職後に職員の在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為をしたと認めたとき」には、組合長は、遺族に対し、第14条の2第1項に規定する事情を勘案して、一般の退職手当等の全部又は一部を支給しないこととする処分を行うことができることと定めている。

※ 第1項においては、非違を行った者の存命中に退職手当の支給制限要件が成立した場合であるから、自己都合により退職をした場合の算出率により算定された退職手当の基本額等をもとに支給額を決定することになるが、第2項においては、職員が死亡したことにより遺族に支払われた退職手当に係るものであるから、職員の実際の退職理由による算出率により算定された退職手当の基本額等をもとに支給額を決定することとなる。

《関連規則》

 禁錮(こ)以上の刑に処せられた場合等の退職手当の支給制限に関する報告については、規則第19条の4及び様式第18号の10参照

第3項

 本項は、組合長が、「懲戒免職等処分機関が懲戒免職等処分を受けるべき行為をしたと認めたとき」に該当する支給制限処分を行おうとするときは、処分を受ける者の意見を聴取しなければならないことと定めている。

第4項

 本項は、前項の規定による意見の聴取を行うに当たっては、行政手続法の聴聞の規定を準用することと定めている。

第5項

 本項は、支給制限処分を行うに当たっては、次の規定を準用することと定めている。

ア 処分を行うときは、書面により通知しなければならないこと

イ 行方不明者への通知については、処分内容を事務所の掲示場に掲示することで通知に代えることができること

第6項

 本項は、一般の退職手当等の一部の支給制限処分が行われたときは、先に行われた一般の退職手当等の支払差止処分は、取り消されたものとみなすことと定めている。

第14条の5(退職をした者の退職手当の返納)

 本条は、退職をした者に対する退職手当の返納命令処分について定めた規定である。

第1項

 本項は、一般の退職手当等が支払われた後において、次のいずれかに該当するときは、組合長は、退職をした者に対し、第14条の2第1項に規定する事情のほか、その者の生計の状況を勘案して、一般の退職手当等の額(失業手当受給可能者であった場合は、算出される失業者退職手当額を除く。)の全部又は一部の返納を命ずる処分を行うことができることと定めている。

ア 在職期間中の行為に係る刑事事件に関し禁錮(こ)以上の刑に処せられたとき

イ 在職期間中の行為に関し再任用職員に対する免職処分を受けたとき

ウ 懲戒免職等処分機関が、退職をした者について、在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為をしたと認めたとき(イを除く。)

《関連規則》

 禁錮(こ)以上の刑に処せられた場合等の報告については、規則第19条の5及び様式第18号の10参照

第2項

 本項は、前項の規定にかかわらず、失業者の退職手当の支給を受けている場合(受けることができる場合を含む。)は、一般の退職手当等の額が雇用保険法の失業給付額の水準未満であるため、返納命令処分を行うことができないことと定めている。

第3項

 本項は、懲戒免職等処分機関が懲戒免職等処分を受けるべき行為をしたと認めたことによる返納命令処分は、退職の日から5年以内に限り、行うことができることと定めている。

※ 「5年以内」としたのは、支払済みの退職手当に係る法律関係を不安定な状態に置くことを避けるため、公訴時効や会計法上の不当利得返還請求権の時効などを参考としたものである。

第4項

 本項は、返納命令処分を行おうとするときは、処分を受ける者の意見を聴取しなければならないことと定めている。

第5項

 本項は、前項の規定による意見の聴取を行うに当たっては、行政手続法の聴聞の規定を準用することと定めている。

第6項

 本項は、返納命令処分を行うに当たっては、次の規定を準用することと定めている。

 処分を行うときは、退職した者に対し、書面により通知しなければならないこと

第14条の6(遺族の退職手当の返納)

 本条は、死亡による退職をした者の遺族(退職者の受給権継承者又は遺族の受給権継承者を含む。)に対する返納命令処分について定めた規定である。

第1項

 本項は、遺族に対し一般の退職手当等が支払われた後において、懲戒免職等処分機関が、在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為をしたと認めたとき(再任用職員に対する免職処分の対象となる職員を除く。)は、組合長は、遺族に対し、退職の日から1年以内に限り、第14条の2第1項に規定する事情のほか、遺族の生計の状況を勘案して、一般の退職手当等(失業手当受給可能者であった場合は、算出される失業者退職手当額を除く。)の全部又は一部の返納命令処分を行うことができることと定めている。

※ 「退職の日から1年以内」としたのは、支払済みの退職手当に係る法律関係を不安定な状態に置くことを避けること、退職手当の一時差止処分を義務的に取り消さなければならない期間を、処分の日から1年間としていること、前条では退職者本人からの返納命令処分を行いうる期間を退職の日から5年以内に限定しているが、本条の規定により返納命令処分を受けるべき遺族は、非違を行った者ではないこと等の事情を総合的に考慮したものである。

《関連規則》

 懲戒免職等処分を受けるべき行為をしたと認めた場合の報告については、規則第19条の5及び様式第18号の10参照

第2項

 本項は、返納命令処分を行うに当たっての準用規定である。すなわち、処分を行うに当たっては、遺族に対し、その旨を書面で通知すべきこと、失業者の退職手当の支給を受けている場合(受けることができる場合を含む。)は処分を行うことができないこと、処分を行おうとするときは、処分を受ける者の意見を聴取しなければならないことと定めている。

第3項

 本項は、前項の規定による意見の聴取を行うに当たっては、行政手続法の聴聞の規定を準用することと定めている。

第14条の7(退職手当受給者の相続人からの退職手当相当額の納付)

 本条は、退職をした者又は死亡による退職の場合の遺族が返納命令処分を受けずに死亡した場合に、相続によって財産を取得した相続人から、退職手当に相当する額の納付をさせることを可能とする処分について定めた規定である。

第1項

 本項は、退職をした者又はその遺族に対し一般の退職手当等が支払われた後に、退職手当の受給者が退職の日から6月以内に返納命令処分を受けずに死亡した場合(次項から第5項までに規定する場合を除く。)に、懲戒免職等処分機関が、退職手当の受給者の相続人(包括受遺者を含む。)に対し、退職の日から6月以内に、在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為をしたことを疑うに足りる相当な理由がある旨の通知をしたときは、組合長は、その通知が相続人に到達した日から6月以内に限り、相続人に対し、一般の退職手当等(失業手当受給可能者であった場合は、算出される失業者退職手当額を除く。以下第5項までにおいて同じ。)の全部又は一部に相当する額の納付を命ずる処分を行うことができることと定めている。

第2項

 本項は、退職手当の受給者が、退職の日から6月以内に「意見の聴取」に当たっての行政手続法の規定による聴聞の通知を受けた場合に、退職手当の返納命令処分を受けずに死亡したとき(次項から第5項までに規定する場合を除く。)は、組合長は、退職手当の受給者の死亡の日から6月以内に限り、相続人に対し、在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為をしたと認められることを理由として、一般の退職手当等の全部又は一部に相当する額の納付を命ずる処分を行うことができることと定めている。

第3項

 本項は、退職手当の受給者(遺族を除く。)が、退職の日から6月以内に刑事事件に関し起訴をされた場合(起訴をされた場合に、その判決の確定前に退職をしたときを含む。次項において同じ。)において、判決の確定前に、かつ、退職手当の返納命令処分を受けずに死亡したときは、組合長は、死亡の日から6月以内に限り、相続人に対し、在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為をしたと認められることを理由として、一般の退職手当等の全部又は一部に相当する額の納付を命ずる処分を行うことができることと定めている。

第4項

 本項は、退職手当の受給者(遺族を除く。)が、退職の日から6月以内に刑事事件に関し起訴をされた場合に、禁錮(こ)以上の刑に処せられた後、退職手当の返納命令処分を受けずに死亡したときは、組合長は、死亡の日から6月以内に限り、相続人に対し、刑事事件に関し禁錮(こ)以上の刑に処せられたことを理由として、一般の退職手当等の全部又は一部に相当する額の納付を命ずる処分を行うことができることと定めている。

第5項

 本項は、退職手当の受給者(遺族を除く。)が、退職の日から6月以内に再任用職員に対する免職処分を受けた場合において、退職手当の返納命令処分を受けずに死亡したときは、組合長は、死亡の日から6月以内に限り、相続人に対し、再任用職員に対する免職処分を受けたことを理由として、一般の退職手当等の全部又は一部に相当する額の納付を命ずる処分を行うことができることと定めている。

《関連規則》

 第1項から第5項のいずれかに該当した場合の組合長への報告については、規則第19条の6第1項及び様式第18号の11参照

 懲戒免職等処分機関から相続人への通知については、規則第19条の6第2項及び様式第18号の12参照

 当該通知書の写しの組合長への送付については、規則第19条の6第3項参照

第6項

 本項は、前項までの処分に基づき納付する金額については、次の事情を勘案して定めるものとしている。この場合において、相続人が2人以上のときは、各相続人が納付する金額の合計額は、一般の退職手当等の額を超えてはならないことと定めている。

ア 第14条の2第1項に規定する事情

イ 退職手当の受給者の相続財産の額

ウ 退職手当の受給者の相続財産の額のうち前項までの処分を受けるべき者が相続又は遺贈による取得の財産の額

エ 相続人の生計の状況

オ 一般の退職手当等に係る租税の額

第7項

 本項は、納付命令処分を行うに当たっての準用規定である。すなわち、処分を行うに当たっては、相続人に対し、その旨を書面で通知すべきこと、失業者の退職手当の支払を受けている場合(受けることができる場合を含む。)は、処分を行うことができないこと、処分を行おうとするときは、処分を受ける者の意見を聴取しなければならないことと定めている。

第8項

 本項は、前項の規定による処分者の意見の聴取を行うに当たっては、行政手続法の聴聞の規定を準用することと定めている。

〇 本条において、当該一般の退職手当等の額には、源泉徴収された所得税額又はみなし相続財産とされて納入した若しくは納入すべき相続税額を含まないものとする。(国家公務員退職手当法の運用方針第17条関係)

第15条(退職手当審査会)

 本条は、退職手当の返納命令等の処分を行う場合には、組合長の附属機関として設置する退職手当審査会に諮問しなければならないこと等について定めた規定である。

※ 退職手当審査会への諮問は、処分を受けるべき者の権利保障を図る観点から、第三者としての客観的かつ公平な判断に基づく意見を述べることで、組合長による最終的な処分の適正性を確保しようとするものである。

第1項

 本項は、組合長の諮問に応じ、次項に規定する処分について調査審議するため、組合長の附属機関として、退職手当審査会を置くことと定めている。

第2項

 本項は、組合長が次のいずれかに該当する処分(以下「退職手当の支給制限等の処分」という。)を行おうとするときは、退職手当審査会に諮問しなければならないことと定めている。

ア 退職後禁錮(こ)以上の刑に処せられた場合等の退職手当の支給制限処分のうち、懲戒免職等処分機関が、在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為をしたと認めたとき(再任用職員の懲戒免職等処分を除く。)に、退職した者に対し、一般の退職手当等の全部又は一部を支給しないこととする処分

イ 死亡による退職をした者の遺族(退職者の受給権継承者又は遺族の受給権継承者を含む。)に対しまだ一般の退職手当等が支払われていない場合において、懲戒免職等処分機関が、退職後に、在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為をしたと認めたときに、遺族に対し、 一般の退職手当等の全部又は一部を支給しないこととする処分

ウ 退職をした者の退職手当の返納を命じる処分

エ 遺族の退職手当の返納を命じる処分

オ 相続人からの退職手当相当額の納付を命じる処分

※ 禁錮(こ)以上の刑が確定したこと又は懲戒免職等処分を受けたことを理由とする本人等に対する支給制限処分については、処分の理由が既に司法手続等により明らかになっていることなどから、審査会への諮問は不要とした。

第3項

 本項は、前項中イ、エ及びオの処分を受けるべき者から退職手当審査会に対して申立てがあった場合には、口頭で意見を述べる機会を与えなければならないことと定めている。

※ 処分を受けるべき者が退職者である場合が除かれているのは、退職者は非違を行った者であることから、組合長による意見聴取以上に、審査会における意見陳述の機会を付与する必要はないと考えたことによるものである。

第4項

 本項は、退職手当審査会が適正な審査・判断を行うために、処分を受けるべき者、懲戒免職等処分機関又は組合長に対する必要な権限について定めている。

第5項

 本項は、退職手当審査会が、適正な審査・判断を行うために、関係機関に対する必要な権限について定めている。

第6項

 本項は、退職手当審査会の組織及び委員等、退職手当審査会に関し必要な事項については、規則をもって定めることとした委任規定である。

《関連規則》

 当該規則については、兵庫県市町村職員退職手当組合退職手当審査会規則(平成22年規則第4号)参照

第15条の2(職員が退職した後に引き続き職員となった場合における退職手当の不支給)

 本条は、職員が退職した場合(懲戒免職等処分を受けて退職をした場合又は欠格条項の規定による失職又はこれに準ずる退職をした場合を除く。)において、退職の日又はその翌日に再び職員となったときは、退職手当は支給しないことと定めた規定である。

第16条(組合市町の負担金)

 本条は、組合市町が組合に納付する負担金について定めた規定である。

第1項

 負担金は、退職手当の支給に要する費用及び組合の事務費に充てるため、毎月職員の給料月額の1000分の155、病院及び診療所に勤務する職員については1,000分の75に相当する金額である。

 休職等の期間中の負担金算定上の給料月額については、勤続期間の除算方法と同様である。(第9条第4項及び第5項の説明を参照のこと。)

〔関連附則〕

 普通負担金に関する経過措置[一般職条例の一部改正条例(平成25年条例第1号)附則第2項]

 平成28年度及び平成29年度の普通負担率は、次の区分に掲げる率とする。

ア 平成28年度・・・・・・・1000分の185

イ 平成29年度・・・・・・・1000分の170

〔関連規則〕

 規則で定める職員及び給料月額については、兵庫県市町村職員の退職手当及び負担金に係る給料月額の特例に関する規則参照

第2項

 本項は、育児休業をした期間のうち当該育児休業に係る子が1歳に達した日の属する月までの期間及び育児短時間勤務した期間について、前項の負担金は給料月額の3分の2とすることと定めている。

第17条(勤続期間の計算の特例の適用に伴う組合市町の負担金)

 本条は、第10条の規定による勤続期間の計算の特例において、同条第1号の規定による職員とみなされるまでのその引き続いて勤務した期間又は同条第2号の規定による職員となるまでのその引き続いて勤務した期間に係る負担金の計算方法について、前条の特例を定めた規定である。

〔参考例〕

負担金額=各月の給料月額の合計額×155/1000

第18条(組合市町の特別負担金)

 本条は、組合市町が組合に納付する特別負担金について定めた規定である。

第1項

 本項は、整理、勤続11年以上の定年若しくは勧奨、勤務公署の移転、公務上の死傷病又は勤続11年以上の公務外死亡若しくは通勤災害傷病により退職した場合には、その者が第3条の規定の適用を受けるものと仮定して算定した退職手当の基本額との差額を組合に納付することと定めている。

第2項

 本項は、前項に定めるもののほか、第3条から第5条の3の規定に該当して退職した者が、当該退職に伴う特別な昇給又は昇格を受けている場合には、その昇給等がなかったものと仮定して計算した退職手当の基本額との差額を納付することと定めている。

第19条(納付期限)

 本条は、負担金及び特別負担金の納付期限について定めた規定である。

第1項

〇 負担金の納付期限は、毎月末日とする。

〇 特別負担金の納付期限は、組合長が指定する日とする。

第2項

 本項は、特別負担金について、組合長の承認を得て一定の限度内の額を分割納付の方法により納付することができる旨を定めたものである。

※ 「一定の限度内の額」とは、規則第19条の12第2項の規定により特別負担金の額が300万円以上である。

第3項

 本項は、特別負担金の分割納付の方法について定めたものである。

〇 退職した年度を含め5箇年にそれぞれ均等に分割して納付する。

〇 分割納付に係る利率は規則に委ねられており、平成30年度退職者については、0.01パ−セントとなっている。

第4項

 本項は、特別負担金を納付期限までに納付しなかった場合の延滞利息を定めたものである。

〇 延滞利息は、年10.0パ−セントの割合で計算した額とする。

第20条(他の地方公共団体における在職期間の通算に伴う引継資金)

 本条は、在職期間の通算に伴う引継資金の納付及び納付期限等について  定めた規定である。

第1項

 本項は、他の地方公共団体の職員としての引き続いた在職期間を通算 された職員は、引継資金として、その者が当該他の地方公共団体を退職 したときに支給を受けた一般の退職手当の額に相当する額を納付することとしている。

※ 「支給を受けた一般の退職手当の額」とは、退職手当に係る所得税、市町村民税及び都道府県民税を控除後の額である。

第2項

 引継資金の納付期限は、組合長が指定する日とする。

第3項

 引継資金を納付期限までに納付しない場合の延滞利息は、年14.6 パ−セントの割合で計算した額とする。

《関連規則》

 在職期間の通算申請については、規則第16条及び様式第15号参照

第21条(権利の譲渡禁止)

 本条は、退職手当を受ける権利は、これを譲渡し、又は担保に供することができないことと定めた規定である。

第22条(権利の裁定調査)

 本条は、退職手当の支給を受ける権利は、組合長が裁定することと定めた規定である。

第23条(施行規則)

 本条は、この条例に基づく退職手当の支給事務等を実施するために必要とする事項については、施行規則をもって定めることとした委任規定である。

附則関係

第1項

 本条例の施行期日を定め、昭和57年4月1日から施行することとしている。

第2項から第8項   略

第9項

 本項は、施行日の前日までに引継資金を納付している職員について、退職手当支給割合が引き下げられたことにより既に納付している引継資金を精算するための調整措置である。

第10項(長期勤続者等に対する退職手当の額の特例)

 本項は、当分の間として、35年以下勤続して退職した場合の退職手当の基本額の特例措置が引下げられたものである。

第11項

 本項は、当分の間として、36年以上42年以下勤続して自己都合又は公務外傷病により退職した場合の退職手当の基本額を定めている。

第12項

 本項は、当分の間として、35年を超える勤続をして整理、勧奨、定年等、公務外死亡、通勤災害傷病、又は公務上の傷病若しくは死亡により退職した場合の退職手当の基本額を定めている。

第13項(組合市町の負担金の特例)

 本項は、組合市町の職員に係る負担金を納付していない期間(以下 「未加入期間」という。)の取扱いについて定めている。

 組合市町は、当該組合市町の職員に未加入期間がある場合には、未加入期間の報告時の給料月額に第16条に規定する普通負担金率と未加入 期間の月数を乗じて得た額を組合長が指定する日までに納付しなければならないこととする。ただし、退職した者で勤続期間に影響のないものについては、この限りでないこととする。

《関連規則》

 未加入期間の報告については、規則第15条及び様式第14号参照

第14項・第15項   略

第16項

 本項は、経過措置、定年退職等の場合の退職手当の額の特例措置、長期勤続者等に対する退職手当の額の特例措置及び早期希望勧奨退職者に対する退職手当に係る特例措置を適用された職員の特別負担金について定めている。

 特別負担金は、支給を受けることとなる退職手当の基本額から、その者が第3条の規定の適用を受けるものとして算定した退職手当の基本額を控除して得た額とする。

第17項

 本項は、前項に定めるもののほか、附則第4項から附則第8項まで、附則第10項から第12項まで、附則第14項及び第15項の規定に該当する退職をしたものが、当該退職に伴う特別昇給等を受けている場合の特別負担金の計算方法について定めている。

第18項

 本項は、前2項の規定により算定した暫定特別負担金及び特別負担金の分割納付の方法について定めている。

第19項から第21項   略

第22項

 本項は、退職手当の基本額の計算の基礎となる給料月額には、給料月額の減額改定(一般職条例の一部改正条例(平成18年条例第4号)附則第2項に規定する適用日の前日以前に行われた給料月額の減額改定で規則で定めるものを除く。)がある場合に経過措置として支給された差額に相当する額を含まないことと定めている。ただし、第8条の5第2項(一般の退職手当の額に係る特例)、第16条(組合市町の負担金)、第17条(勤続期間の計算の特例の適用に伴う組合市町の負担金)、附則第13項(組合市町の負担金の特例)に規定する給料月額については、この限りでないことと定めている。

改正条例附則関係

〇 平成16年3月19日条例第2号

第3項

 本項は、42年を超える期間勤続して退職した者で一般職条例第3条第1項の規定による退職をしたものに対する退職手当額は、当分の間、同条例第5条の規定による退職をしたものとし、かつ、その者の勤続期間を35年として計算した額とするものである。

〇 平成18年4月1日条例第4号  

第2項

 本項は、退職手当並びに負担金及び特別負担金については、改正後の条例の規定(育児休業に係る部分を除く。)は、組合市町ごとに規則で定める日以後の退職による退職手当並びに同日以後に生じた負担金及び特別負担金から適用することと定めている。

《関連規則》

 規則で定める日については、兵庫県市町村職員の退職手当の調整額等に関する規則参照

第3項

 本項は、新制度適用職員として退職した場合において、改正後の退職手当条例の規定に基づく退職手当の額が、改正前の退職手当条例の規定に基づく額を下回る場合の保障に係る経過措置を規定している。

 改正後の条例による退職手当額 < 新制度切替日前日額の保障額の場合、新制度切替日前日額の保障額が支給退職手当額となる。 

<新制度切替日前日額の保障額> 

 新制度切替日前日に現に退職した理由と同一の理由により退職したとした場合の退職手当額(その者の同日までの勤続期間及び同日における給料月額を基礎とする。)

第4項 

 本項は、職員のうち条例第9条第6項の規定により引き続いて職員となり、施行日の前日が当該職員としての引き続いた在職期間に含まれるものが新制度適用職員として退職した場合における前項の規定は、職員とみなして新制度切替日前日額を計算するために、所要の読替規定を定めている。

〇 平成22年2月24日条例第1号  

第2項 

 本項は、退職手当について新たな支給制限及び返納制度の規定については、平成22年4月1日以後の退職に係る退職手当について適用することと定めている。

〇 平成25年2月22日条例第1号  

第2項 

 本項は、改正後の条例第16条に規定する普通負担金率の経過規定と条例附則第10項及び第15項に規定する経過規定を定めている。

 改正後の条例第16条中「1000分の200」とあるのは、平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間においては「1000分の220」と同年4月1日から平成27年3月31日までの間においては「1000分の210」と、同条例附則第10項及び第15項中「100分の87」とあるのは、平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間においては「100分の98」と同年4月1日から平成27年3月31日までの間においては「100分の92」とする。

第3項 

 本項は、改正附則第3項の規定の適用については、同項中「100分の87」とあるのは、平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間においては「100分の98」と同年4月1日から平成27年3月31日までの間においては「100分の92」と、「104分の87とあるのは、平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間においては「104分の98」と、同年4月1日から平成27年3月31日までの間においては「104分の92」とする。

〇 平成26年11月26日条例第3号

第2項

  改正後の兵庫県市町村職員の一般職の職員の退職手当に関する条例(次項において「改正後の条例」という。)第16条及び附則第22項の規定は、この条例のそれぞれの施行の日以後に生じた負担金について適用し、同日前に生じた負担金については、なお従前の例による。

第3項

  改正後の条例第16条の規定の適用については、同条中「1,000分の155」とあるのは、平成28年4月1日から平成29年3月31日までの間においては「1,000分の185」と、平成29年4月1日から平成30年3月31日までの間においては「1,000分の170」とする。